「名古屋市南区の水道局指定水道工事店 名水工業所の工事ブログ」

 

昨年ネットで弊社を見つけた、ある管理会社さんから昭和のアパートの木製タンク修理依頼を頂いたときに、タイル床下でゴム部品劣化破損で水漏れしているため便器に流れる水量が少ないことをご指摘してありました。ご依頼いただいた管理会社さんへお見積りを出しオーナー決済がおり、本日工事に着手いたしました。

木製タンクの和式トイレです。昭和の下水が名古屋で始まったころの便器のため、便器本体とトラップ(放流部分)が分離している土管接続の和式便器です。いまではほぼ見かけることはなく、このタイプの便器を知っている水道屋さんは名古屋でも現在は少ないでしょう。

今回の修理は土間コンクリートを割っている間に、便器と部品の取り付け部が割れてしまうことがあるリスクの大きな工事です。そのため割れた際に交換工事が必要になるため、本日の修理予定はこの1件のみにしています。まずは一番安全な部分を壊していくのですが「あっ!今回はまずい・・割れるかもしれない!」と思ってしまいました。コンクリートの厚みがあり、一番破損する部分がほぼほぼコンクリートで覆われていました。慎重に作業をすすめ、リスクの高い部分の土間を残して取り付け部を出しました。

劣化破損しているゴム部品を外し残りの土間コンクリートを、色々な工具を駆使してコツコツと細かく除去したところ、無事に取り付け部を破損せずに土間を割ることができました。

いつもなら代替部品で修理しているので、ここまで露出させる必要はないのですが、この便器があまりにも古いタイプだったために、代替部品が使用できない規格でした。さて取り付け部を出せたけど、修理に使用する部材がありません。近くに先代から取引している老舗の水道資材店があるので、なにか使える部材がないか尋ねに行くと、なんと倉庫の奥から「最後の1個だよ」と取り外した同材質の部材を出してきてくれました。これで問題なく修理できることになりました。現場に戻り部材を取り付け、陥没していた土間下の穴に砂を入れタンクの水を流して水量を確認。ばっちりです。

同時にタンクへつながる棒状の洗浄管を新品に交換しモルタル補修をして工事完了です。

水道屋さんになってから、この修理での便器破損ゼロです。性格が慎重なこともありますが、先代から昭和の技術を叩きこまれているのもあるのだと思います。